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厳格なる変奏曲:メンデルスゾーンを聴いて

大阪楽友協会ピアノグループの55周年記念演奏会にいってきました。大阪楽友協会ピアノグループとは、大阪教育大学の特音(現:芸音)のピアノ科卒業生を中心とした団体で、現在は田中紘二先生(大阪教育大学名誉教授)が部長をされています。

演目は、モーツアルト、リスト、ラヴェルなどおなじみの作曲家に加え、ヒナステラやガーシュイン、ストラビンスキーなどリズムや音の構成に特徴のある曲や葉加瀬太郎、京田誠一の邦人の曲も演奏されました。

演奏形態は、前半はピアノソロと二胡とフルートとピアノのアンサンブルで後半は連弾でした。田中先生は、メンデルスゾーンの「厳格なる変奏曲」を演奏されました。


感想①勘違い


私はこの曲を知りませんでした。また、なぜか作曲者をハイドンだと思い込んでいたため、ハイドンとは全く異なる表現に始終戸惑っていました。

ハイドンは、1日に数曲を作曲していたと言われる超多忙な作曲家です。このような緻密な曲を作ることができるのか・・それが最初の疑問でした。次の疑問は、曲全体に現れる初期ロマン派の背景です。どう考えてもハイドンとは思えない・・って、ハイドンじゃないからあたりまえ☆

これに気づいたのは、演奏会のあとです。あちゃ~やってもた!余計な先入観がなければもっと素直に聞けたものを・・もったいないことをしました。後悔しまくりです。。

感想②他の変奏曲との違い


一般的に変奏曲は「ここから次の変奏です」ということがわかります。(バッハのゴルドベルク変奏曲、モーツアルトのきらきら星変奏曲、ベートーベンの創作主題による32の変奏曲など)それは、前の項の最後が休符だったりrit.だったりすることが多いからだと思う。

でも、厳格はそうじゃないのです。とにかくめっちゃ速くて超絶技巧です。モチーフ自体はそう長くはない。でも「えええ!いつのまに次の変奏?」という感じです。

感想③楽譜


帰りにベートーベン研究会の方と田中先生と3人でお茶しました。その時に田中先生から楽譜を見せてもらいました。次の楽譜は先生がお持ちの楽譜ではありませんが、厳格なる変奏曲の第1変奏の部分です

434px-TN-Mendelssohn_Werke_Breitkopf_Gregg_Serie_11_Band_2_M
引用:IMSLP


田中先生は、この曲がアウフタクトであることにとても興味をお持ちでした。そして、先生がお持ちの楽譜には、左手部分にそれが感じられるスラーがありました。

ただ、このスラーは原典版だけのようです。上の例の楽譜には冒頭の左手にスラーの表記がありません。また、原典以外の楽譜の多くには、小節をまたぐスラーが書かれているようです。

「エディションは大切です」と、田中先生はおっしゃいました。先生はいつもそうおっしゃいますが、本当にそのとおりだと思います。

ただ、メンデルスゾーンは彼自身が細かいことを言うタイプだったので、一般的にエディションの違いはあまり見られません。でも、厳格なる変奏曲は確かに違いました。これにはびっくりしました☆

感想④まとめ


演奏を聴き、実際に楽譜を見た感想は、「私にはムリ」でした。うははは!なんじゃそりゃ?ですが、本当にムリ。絶対むり。楽譜をみてちょっと手を動かしてみましたが、無駄な抵抗でした(笑)

興味がある方はこれを聴いてみてください。かなり前の演奏ですが、ペライアの動画です。





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