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老猫を看取ること⑤終わりました

深夜から未明にかけて


亡くなる7時間前、ふと目をけるときゅうちゃんがじっとこっちを見ていたので「おいで」と呼んでみました。するときゅううちゃんはふらつきながら私のそばにきて、肩をちょんちょんと叩きました。これは「布団に入れて」という合図です。

布団のなかできゅうちゃんはグルグルと喉を鳴らしました。この音を聴くと私はとても落ちつくのです。きゅうちゃんに「ありがとう」と言いました。

次にきゅうちゃんは、玄関に向かいました。玄関をあけるとよろよろと前の空き地にはいっていきました。ここはきゅうちゃんのお気に入りの場所です。くんくんと臭いをかいで地面に横になりました。雨が降ってきたので、私はきゅうちゃんを家に連れて帰りました。夜中の1時半のことです。

それからきゅうちゃんは、部屋のあちこちで横になりました。身体が落ち着くところを探しているようです。暖かい場所と冷たい場所を交互に移動します。

部屋には、ホットカーペットが敷いてある暖かい場所と、冷却マットが敷いてある冷たい場所を用意しました。猫は死期が近づくと、猫は体力温存のため冷たい場所から動かなくなるからです。

きゅうちゃんが冷却マットから動かなくなったので、私は窓を開け放ち、部屋全体を冷たくしました。するときゅうちゃんは気持ちよさそうに横になり、静かに目を閉じました。旦那が身体を優しくなぜています。

そして5時半にきゅうちゃんは、とびきりのカッコいい声で3回ほど鳴き、それっきり動かなくなりました。見事な最期でした。私は大きな声で「きゅうちゃん、ありがとう」と言いました。私の看取りが終わった瞬間でした。

何もしない「老猫の看取り」について


輸液通院をしない、強制給餌もしない、ただそばにいて声をかけ、好物のマグロやパウチを与えて見守るだけの介護が、果たしてよかったかどうかは、きゅうちゃんに聞いてみないとわかりません。でも、あまり苦しまず眠るような最期でした。

終末期医療の現場の医師の見解は、「何もしなければ楽に死ねる」というものだそうです。猫も人間もいよいよ最期が近づいたら何もしない方が楽なのかも知れません。

言い伝え


猫は死ぬ時に、飼い主の不幸をもっていくと言われています。未明に死ぬことが多いのは、自分が死んでも朝日は昇ることを、飼い主に教えてくれるのだとも言われています。この話が本当かどうかはわかりません。でも飼い主は、この言葉に救われます。

でも、でも本当は、もっと長く生きていて欲しかった。寂しくて寂しくてしようがありません。家の中には、きゅうちゃんが使っていた食器や、食べかけのフード、寝ていたお布団などそのままなのです。今でも横にきゅうちゃんがいる気がします。

きゅうちゃんは、さっき煙になって天に上り、小さな遺骨になって帰ってきました。今日はとてもいいお天気です。

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大好きなきゅうちゃん


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