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とある動物病院からみたピアノ教室運営

今日は真面目な話を書きます(笑)すべて実話です。

とある動物病院の話



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20年ほど前、市内に小さな動物病院(A)ができました。A病院は清潔で、先生も動物や飼い主に優しかったため、連日満員でした。

しばらくたって、近くに動物病院(B)ができました。B病院はA病院より大きく、スマホで順番待ちができるなど便利でした。また、先生も病気についてしっかりと丁寧に説明してくれるので、こちらも連日満員になりました。

しばらくは、どちらの病院もにぎわっていました。しかし、次第に患者数に差がでて、ついに外から見ただけでも差がわかるようになってきました。

人気のある店1

ここからは私の経験談です。私は長年にわたりA病院に通っていました。そして数年前のある日、愛猫を連れてA病院に行きました。そのころからA病院が以前に比べて患者が少なくなったなぁと感じていました。

先生は相変わらず優しく、血液検査をして「点滴と抗生物質を出します。明日も来てください」と言われました。

しかし、毎日点滴に通い、苦いお薬を飲んでも、一向に愛猫はよくなりません。血液検査の結果もとくに悪いところが見当たらない。

そこで私は「レントゲンを撮ってください」といいました。すると、先生はレントゲンを撮ってくださいました。その結果、愛猫に腹水が溜まっていることがわかりました。

そして先生に「何の病気でしょうか?」と尋ねました。しかし先生は「詳しく検査をしないとわかりません」と言い、さらに検査を勧めるだけで、積極的な治療は行ってくださいませんでした。

実は私は、少し前からこちらから質問しないと応えてくれないA先生の態度に物足りなさを感じていました。患者の方から質問しなくても、「こんな病名が考えられる」「このような治療法がある」言ってほしかった。しかし、A先生は患者の話を優しく聴くだけで、それは行われませんでした。

数日後、愛猫は病名不明のまま数日後に亡くなりました。もちろん愛猫の死はA先生のせいではありません。でもA病院の前を通るたびに、今でも心が痛くなります。

現在私は、別の仔を連れてB病院に行っています。B病院の先生は紙に書いて丁寧に病状を説明してくれます。B先生は、治療法はもちろん今後の見通しを話してくださいます。時には厳しい結果を聞き辛いこともありますが、「一緒に頑張りましょう」と言ってもらえると、ホッとします。

A病院が衰退した3つの理由


A病院が衰退した理由は3つあると思います。

ひとつめは、患者を待たせるという従来の診察環境を変えていないこと。
もちろん、患者を待たせることは悪いことではありません。でも、待ち時間は短い方がいい。なぜなら動物において病院はストレスになるからです。

おそらくA病院では、飼い主から「まだでしょうか」などの言葉をもらっていると思います。酷いときは2時間待ちですから(患者がいないのに 笑)。それを改善しようとしていません。

ふたつめは、飼い主のニーズにそった診察内容ではないこと。
優しく話を聞いてくれる獣医は貴重です。でも患者によっては「現在のペットの状態を知りたい」「治療法を知りたい」「今後の見通しを知りたい」という人もいます。とくにインターネットの情報が散乱しているなかでは、我が子に適切な治療法を知りたいのです。

聴けば応えてくれる・・ではなく、治療方針を聞きたい。判断するのはもちろん飼い主です。ですが、可能性をいくつか提案してほしいのです。

みっつめは、長く通い続ける飼い主の言葉に満足していること。
どんな病院でも「ここは最高だ」「ここ以外考えられない」という飼い主は必ずいます。そしてそういう方は頻繁に、または長年病院に通い、先生に感謝の言葉を言うでしょう。これは嘘ではありません。

でもこの言葉を真に受けて「自分はこれでいいのだ」と思うのは大変危険です。よくないから患者数が減ってるのですから。ここに着目しなければならなりません。

ピアノ教室にあてはめてみると・・


これらの動物病院の例を、ピアノ教室にあてはめてみました。もちろん自戒を込めて。

これまで私は「生徒さんが退会するのは理由がある。でも人はそれぞれ受け取り方が違うし、そもそも退会理由はほんとうかどうかわからない。だから気にしなくていい」と考えていました。しかし最近はちょっと違うのではないか・・と思えてきました。

長くピアノ教室を続けていると、「先生が好き」という生徒さんがいてくれます。彼女たちは先生を称賛し、教室のために協力を惜しまないありがたい生徒さんです。しかし、こういう生徒さんに囲まれていると、自分はこれでいいのだと思ってしまう。でもこれは間違っています。

生徒さんが減っていくことには目をつむり、1部の生徒さんの嬉しい言葉に酔いしれて現実をみていないと、ピアノ教室は衰退します。

最近は、
・自分の弾き方の問題点を知りたい
・解決方法を教えてほしい
・今後の見通しをはっきりと伝えてほしい
という生徒さんが増えてきたように思います。従来のように「先生におまかせします」というスタンスではなく、生徒さんも積極的に学習されるようになったということです。そうなると、生徒さんのお話を優しく受け止めるだけでは不十分ですね。

ピアノ教室は、学習環境や学習内容にいつもアンテナを張り続け、「自分の教室には何が足らないか」「自分でできることはなにか」を常に考えながら運営していく必要があると思います。

私も頑張らなければ!長々とありがとうございました☆

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