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放送大学大阪学習センター開設30周年記念式典

放送大学大阪学習センター開設30周年記念式典は、動画で行われました。
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日時: 令和3年10月30日(土)14時~16時30分(予定)

次第: 記念式典
    放送大学大阪学習センター所長開会挨拶
    放送大学学長挨拶(事前収録)
    大阪大学総長祝辞(事前収録)
    大阪教育大学学長祝辞(事前収録)

    記念講演会1(事前収録)
    演題 「学び―〝悲しみ〟を越える武器」      
    講師  鷲田 清一氏
       (大阪大学元総長、京都市立芸術大学前学長)

    記念講演会2(事前収録)
    演題 「放送大学の新たなビジョン~現実を見つめ理想をめざす~」
    講師  岩永 雅也氏 (放送大学学長)

    閉会

今日は、記念講演会について興味深い部分を抜粋します。
鷲田先生のお話しは、学校教育との違いや他の国との違いをもとに、日本のおとなの学びについて講演されました。
これは、おとなのピアノにも共通する箇所が多々あると思いました。

また、岩田先生のお話しは、放送大学の現状と来年度の放送大学の変革について発表されました。それについても書きます。

記念講演会1


演題「学び―〝悲しみ〟を越える武器」      
講師  鷲田清一氏(大阪大学元総長、京都市立芸術大学前学長)

鷲田先生は哲学者ですが、一般人にもわかりやすい内容の著書を数多く刊行されています。

・年を取ってからの習い事は「こだわりをなくす」「力を抜く」という方向の指導をされる。これは、知識を入れる子どもの教育とは違う。
・放送大学の学びは、学校教育よりも学びの原点に近い。
・放送大学の学びも同様であり、学校教育の競争原理から離れている。
・放送大学では「何のために学ぶか」という質問は愚問である。なぜなら学びは「知らないことを学ぶこと」なのだから、学ぶ前に意味が分かるはずがない。
・学びたいこと、学ぶ方法は自由だ
・学校教育では先生が学生に質問するが、知っている者が知らない者に尋ねるのはおかしい。
・誰でも答えが同じである算術は、暮らしに溶け込んでいない
・創意工夫ができることが「学び」であるが、日本の学校教育には、創意工夫がない。

記念講演2


演題「放送大学の新たなビジョン~現実を見つめ理想をめざす~」
講師:岩永雅也氏 (放送大学学長)


・学生は60代以降が多いが、昨年から20代など若い層が増えている。
・入学時の学歴は1985年では高卒が多かったが、2019年では大卒・院卒が大半である(再入学だけではない)
・コロナで「単位認定試験のあり方」「面接授業」の方法が変わった
(単位認定試験は不正防止と時間制限ができない難点がある。面接授業はデジタルでバイトの問題)
・学生は全世代の4分の3が、世代を問わずインターネットで学習している
→高齢者はネットに弱いとは言えない

【今後の放送大学】
①オンライン授業の拡大、面接授業の厳選とZoom授業の展開
②2023年度よりIBT(Internet base test)の導入(2022年度は過渡期的に自宅受験)
③学習センターの再整理
放送大学は生まれかわる

まとめ


鷲田先生のお話しはとても面白く、放送大学の学生であり生涯学習指導員の私にとってはエールを送られている気持ちになった。

それに対して、これまでの放送大学学習センターのありかたを根底から見直す改革案は、なぜか寂しい気がした。

学習センターが、学生の交流の場としての機能を失うのではないかという点と、単位認定試験の緊張感を味わうことができなくなることの2つだ。
私は試験が好きだ。あの緊張感、ドキドキ感をもう味わうことができないと思うと、寂しくてしようがない。


コメント
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