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ぴーちゃんのこと:また逢おうね

2024年7月25日22時、愛猫ぴーちゃんは私と夫が見守るなか、虹の橋に旅立ちました。痙攣も嘔吐もなく、優しいぴーちゃんらしい、穏やかな最期でした。

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これまでの記事は、こちらをみてください。
ぴーちゃんのこと:腎不全闘病中
ぴーちゃんのこと:腎不全闘病中②
ぴーちゃんのこと:腎不全闘病中③




歯肉炎のある腎不全の猫の闘病


腎不全は「体重を減らさないこと」が重要な課題です。しかし、歯肉炎のある猫さんの食事調整はとても難しいものでした。

とくにぴーちゃんはウエットフードを食べず、ちゅーるも食べない猫さんだったので、ドライフード(カリカリ)のなかで食べてくれるものを探さなければなりません。

そんななかでもよく食べてくれたのは「シーバデュオ15歳」「三ツ星グルメ20歳」「ちゅ~るクランキー」です。これは亡くなる数日前まで食べてくれました。

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ところで、一般的に腎不全の猫さんには、腎臓療養食を食べさせます。でも、腎臓病の猫さんは食欲がないことが多いうえに、歯肉炎の猫さんはこれが難しい。幸い獣医も、「ぴーちゃんが好きなものをあげてください」とおっしゃいました。その代わり、1週間に1度の体重計測はとても緊張しました。

ぴーちゃんは、毎日のデンタルバイオ(サプリメント)と投薬、皮下輸液、1週間に1度の腎性貧血の注射、3週間に1度の血液検査と尿検査を頑張りました。皮下輸液は自宅でしました。

しかし、闘病の甲斐なく、腎不全のステージは2から3へ。私は獣医に「こんなに頑張っているのに、なぜ数値がどんどん悪くなるのか!」と問い詰めました。

すると獣医は「個体差があるのです。数値だけでは図れない。でも僕は諦めていません。まだやれることがあります」とおっしゃいました。

まだやれることがある・・この獣医の言葉は、私たちを勇気づけました。そして、この言葉が支えになり、「ステージ3をできるだけ長く維持しよう」と決心しました。

しかし、次第にぴーちゃんは寝ていることが多くなり、食欲も少しずつなくなっていきました。そしてとうとうステージ4(腎不全末期)になってしまい、尿毒症も併発してしまいました。

食欲廃絶してから


これはぴーちゃんが亡くなる5日前の写真です。この頃には、寝ているぴーちゃんの前にご飯をもって行って、食べさせるようになっていました。ただ、それも束の間で、この写真の日を最後に、ぴーちゃんはご飯を食べなくなりました。

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食欲廃絶になったら、強制給餌はしない。
これは、以前に強制給餌で辛い経験があるので、夫婦で決めていました。「食べないから死ぬのではなく、死ぬから食べないのだ」ということです。辛い現実のなか覚悟をしました。

そして食べなくなって2日目に病院に行くと、獣医は「体温が35度です。うちではもうできることはありません。2~3日だと思います」と言われました。そこで通院を辞め、仕事を休んで一緒に家で過ごすことにしました。

それからの3日間、私たち夫婦は、いつもと同じように明るく過ごしました。ぴーちゃんに声をかけ、ブラッシングをし、身体をなでて脱脂綿に水を含ませて飲ませました。
皮下輸液は獣医の判断で、90㏄に減らして亡くなる1日前までしました。尿が体に回るのを防ぐためです。

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ぴーちゃんは、その後フラフラしながらも、家の中を歩き回り、猫用フェンスにも出ました。昼も夜も歩き回るその姿は、まるで自分が生きた世界を心に刻んでいるようにも見えました。

亡くなる日も、ぴーちゃんは、自分でトイレに行こうとしました。でも間に合わずに2回ほど粗相をしました。これを見て、私はぴーちゃんの腎臓がまだ動いていることを嬉しく思いました。
そしてその日の夜、ゆっくりと虹の橋に旅立ちました。見事な最期でした。

獣医に対して思うこと


獣医は、治療法を提示しながらも、常に飼い主の意向を尊重してくれました。なかでも私が一番ありがたかったことは、療養食を勧められなかったことです。もし腎臓療養食を勧められていたら、私はストレスでおかしくなっていました。

また、「僕は諦めていません」という言葉も心強かった。だから「もうできることはありません」と言われた時に、すんなりと通院を辞められたように思います。

ただ、これは、延命(緩和)治療だったからかもしれません。助かる命なら、獣医の意見が最優先されるべきでしょう。しかし、それでも言葉を話せない動物の場合は、飼い主の判断が全てになります。うちの場合は、飼い主の話を聞き、それを尊重してくださったことは、ありがたいと思いました。

ぴーちゃんが亡くなったことを伝えたところ、病院からお花が送られてきました。お花は、ぴーちゃんのお気に入りのキッチンの窓に飾りました。

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ネット情報に対して思うこと


不安になったときに何度も「猫 腎不全」で検索しました。そこで同じ病気の猫さんを見つけては涙し、長生きしている猫さんを見つけては勇気づけられました。

そんななかにも「この薬で腎臓病が治った」「うちの病院なら治せます」など、ネットには腎不全の情報がいつも上位にありました。そこには心揺れる内容が詰まっています。しかし、検索で上位のサイトは、お金で上位に表示されることもあります。だから信用できないと思っていました。

私は、ネット情報より知人や友人の体験談の方がずっと有益だと思っています。できるだけ多くの知人や友人の体験談を聞くほうが、見知らぬサイトの情報より信憑性が高い。そこで、病気の猫さんを看取った経験をもつ知人の話をいっぱい聴きました。

また、私の場合は、過去に2匹の愛猫を腎不全で亡くしています。その時の経験も役立ちました。病気に関しては、ネット情報よりリアルが大事です。

多頭崩壊について思うこと


多頭崩壊からレスキューされたぴーちゃんは、何年も20数匹の猫と一緒にゲージのなかに閉じ込められていたと聞きました。そのため股関節に障がいがあり、犬歯も折れていました。また、おもちゃで遊んでもらったこともないと聞きました。

それでも、人間が好きだったぴーちゃんは、恐らく多頭崩壊でも、元飼い主さんからも可愛がられてたのでしょう。また、保護された施設のスタッフにも大切にされたのだと思います。

ただ、若いはずだったのに、ぴーちゃんの内臓は12歳をとっくに超えるほど痛んでました。多頭崩壊は、歯も骨だけでなく、内臓も傷つくようです。どうか、猫好きさんは、多頭崩壊にならないようにしてください。お願いします。

最後に、費用について


治療費は、約8カ月で34万弱です。ペット保険に入っていないので自費です。また、ご飯やおやつ代を含めると、40万以上になるとおもいます。夢中で支払っていたのでとくに高いとは思いませんでしたが、いま考えると高額ですね(笑)

大好きなぴーちゃんへ


ぴーちゃんがいなくなった今でもうっかりと名前を呼んでしまったり、スーパーでぴーちゃんが好きだったご飯を見つけると涙が止まらなくなります。
私はもっとぴーちゃんを幸せにしたかった。
ぴーちゃんは幸せだったかな。。またあいたいな・・あいたいな・・


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